ホールやコンベンション施設などの会場に行われる展示会などは、インターネットが普及した現在においても、認知度の向上や販売促進活動のプロモーションの手段となっています。特に、商品や機械は、実物を実際に触れてもらい使い勝手や性能を直に説明した方が、やはりお客様に伝わりやすいのではないでしょうか?
コロナ禍であっても感染症対策を万全に行い、リアル展示会を開催している例も多数あります。デジタル化の進展の中で相対での商談の重要性・貴重性は今後増すことが予想されており、リアル展示会は今後もPRの場として重要な地位を引き続き占めていくことでしょう。
<参考サイト>
・一般社団法人 日本展示会協会 https://www.nittenkyo.ne.jp/
・リード エグジビション ジャパン株式会社 https://www.reedexpo.co.jp/
展示会などはプロモーションの効果が大きい一方で、出展するにはイベント期間中は会場にお客様とコミュニケーションをとるために多くのスタッフを配置する必要があるほか、展示ブースの企画・装飾から展示品の搬入などの準備活動といった多くの経営資源を投下する必要があります。
2019年末より始まった新型コロナウイルス感染症の影響により、ソーシャルディスタンスが求められ、相対でコミュニケーションを行われ、多くの人が集まるイベントの開催が難しくなってきています。そこで、オンラインでの展示会がデジタルトランスフォーメーションの流れも加わり注目を集めています。
では、オンライン展示会を行うにあたり、どのようなことを考えて行う必要があるでしょうか?メリットとデメリットは下記のようなことが考えられます。
<オンライン展示会のメリット>
1)天候の影響を受けにくい
リアル展示会では、雨天時は来場者数が少なくなることが多く、また会場が屋外であればさらに影響をうけ、さらに雨天対策も必要となります。オンライン展示会はネット環境があれば天候の影響を受けることはありません。
2)時間や場所の制約がない
オンライン展示会ではウェブという空間で行われるため、時間や場所といった制約が基本的になく、遠方からでも参加できます。一方で、リアル展示会では、特定の日時に会場を借りて行うため、都合が合わない方は参加できませんし、会場の広さに応じた規模でしか出展ができません。
3)参加者のデータ取得や分析が可能
IPアドレスを活用するなどをして閲覧者のデータを効率的に取得することができます。設定によってはサイトの閲覧時間、コンバージョンなどもデータを取ることができ、以降のマーケティングに活用することに繋げられます。アンケートをサイト上で行えば集計も容易にできます。
<オンライン展示会のデメリット>
1)サイト構築・システム整備に手間と時間が掛かる
初めてオンライン展示会を行う場合には、サイトを一から構築しなくてはなりません。動画などのリッチコンテンツについても、手間と時間がかかることが多いです。
2)プッシュ型の営業が難しい
リアル展示会では、ブースの前を通った人に声を掛けたり、ノベルティの配布をしながら呼び込みをするなど積極的なアプローチができますが、オンライン展示会ではできません。受動的な形になりがちです。
さて、新型コロナウイルスの影響により2020年ではオンライン展示会が、イベントの目的や規模・予算などに応じて様々な取り組みが行われました。企業の採用活動、大学などのオープンキャンパス、などでも色々な業種でも利用され、動画配信、チャット、3D空間を活用したバーチャル展示会、ウェブサイト型のオンライン展示会など様々な形があります。
現在これが正解といったイベントの形はまだまだ出ておらず、多くが試行錯誤の中で行われているのではないでしょうか。さらに、それらイベントのプラットフォームを提供する企業も多く登場しています。
今後活用される機会や業種が広がっていることが予想される中で、それらオンライン展示会について簡単ご紹介します。
通常のウェブサイトと同様の形式で構成され、各出展者のPRしたい情報を集めた特設サイトになります。出展者及び閲覧者のデジタルリテラシーの程度に左右されず、誰でも簡単に操作することが利点です。様々な動画などのコンテンツやサービスと組み合わせ、発信したい情報を分かりやすくユーザビリティを重視し閲覧者に表示します。
・最も使いやすいインターフェイスで、閲覧者PC環境に影響を受けにくい
・各コンテンツを構築しやすく、コストも高騰しにくい
・普遍的でコンテンツ寿命が長い
・拡張や連携も制限が少ない など
<デメリット>
・展示会らしさはあまりなく、通常のサイトとの区別が難しい など
オンラインの会場内に3DCGで実際のモニターやパネルなどを忠実に再現したブースを設置し、アバター同士で商談や連絡先交換なども行えます。実物そっくりに“そのまま”の展示会のリアリティをオンライン上に再現することで、出展者も来場者も従来のリアルな展示会と同様の体験ができることを目指します。Zoomをはじめとしたコミュニケーションツールとの連携や、チラシ・パンフレットや、ウェブサイト、説明動画、3Dデータなどの埋め込みも基本的に可能です。
・非日常感・バーチャル感の演出ができる
・世界観をより表現できる
・話題性がある
・多様な見せ方(WEB/VR/AR) ができる など
<デメリット>
・閲覧者のPC環境が限られる
・サイトの読み込みに時間がかかりなど、ユーザビリティ・操作性に難がある
・コストが高騰しやすい
・視聴者が酔うことがある など
YouTubeやMicrosoft Teams、Zoomなどの動画配信プラットフォームを使い、映像を配信します。予め制作した動画をアップロードした動画配信サイトのリンクを展示会のサイトに埋め込んだり、YouTubeなどのライブ機能を使って、リアルタイムで講演会などを一斉に動画配信を行ったりできます。
チャット機能をオンライン展示会のサイトに埋め込んで、閲覧者とのオンラインでのやり取りが可能です。動画配信機能を利用するよりも容易に来場者の質問の対応など商談が行えます。また、オンライン名刺交換サービスなどを利用して、サイト上でも名刺交換できる機能が備わっているオンライン展示会サービスもあります。
上記にあるようなリッチコンテンツといわれる動画、VR(仮想現実:Virtual Reality)やAR(拡張現実:Augmented Reality)の組込み、閲覧者に分かりやすくアピールすることも可能です。またウェブサイトへの閲覧者のアクサス数などウェブ解析機能、AI(人工知能)がオンライン展示会内の案内やQ&Aに答えてくれる機能など、多様な機能も登場しています。予算や目的、ターゲットの視聴環境に応じて組み込んでいきます。
デジタルトランスフォーメーションの中、色々なサービスが無料又は安価で使用できることも多くなっています。高いクオリティを求める場合は専門の制作会社に依頼することをお勧め致しますが、PRしたいターゲット、訴求したい内容に応じて、適切なアピール方法を是非お考え下さい。